01 August

消費税還元ポイントの謎

update_2019年08月01日   
税務ニュース

いよいよ間近に迫った消費税増税。

消費税関連の情報としては、増税前の駆け込み需要や増税後の経過措置、食料品などの複数税率など、話題が盛りだくさんです。特に複数税率は、その線引きについてかなり前から各メディアで取り上げられているため、世間的には周知されていると思われます。

ここでは、それほど周知がされていない消費税還元ポイントについてご紹介していきます。消費税還元ポイントとは、消費税増税後の消費意欲の減少に伴い、景気が極端に落ち込むことを防ぐ目的で、政府が考えた消費刺激策の一つです。その内容は、本サイトでも紹介されている通り、令和元年10月から9か月間に消費した一定の物品などについて、購入金額の5%をポイント還元するというものです。(制度の詳細につきましては「キャッシュレス・消費者還元事業について(中小・小規模事業者向け)」をご覧ください)

ここでは、消費者の立場から得する使い方と事業者の立場から得する使い方を解説しています。

消費者の立場から得する方法とは

まずは確実に消費税還元ポイントを獲得することを目指しましょう。そのために必要なことは、どこで(WHERE)、どのように(HOW)、なにを(WHAT)をおさえておくことです。

小規模店舗での買い物を心がける

還元ポイントの対象となるのは、基本的に中小・小規模事業者での買い物です。具体的には業種によって資本金基準、従業員基準、所得基準があり、消費者が判断するのはなかなか難しいです。ただ、わかりやすい店舗としては飲食店(ナショナルチェーンなど大企業が経営しているところを除く)などは比較的対象のところが多いと予想されます。なにより、その対象となる店舗がポイント還元制度に登録しているかどうかが問題となります。もちろん、登録している店舗でお買い物などをすると5%還元されることになります。また、コンビニについては、フランチャイズ契約に基づく加盟店として経営しているところが圧倒的に多いですが、そこでは2%の還元を受けることができます。一方、コンビニでも直営店など大規模事業者が直接経営しているような店舗についてはポイント還元されませんので注意しましょう。

電子マネー利用やクレジットカード決済を心がける

消費税ポイント還元されるのは、クレジットカード決済や電子マネーを利用したキャッシュレス決済に限られます。まずはクレジットカードの取得または電子マネーの利用できる環境を整えましょう。また、クレジットカードより電子マネー決済のほうが少額決済には向いているので、できれば電子マネーを利用できるようにしておきましょう。日本では現金決済率が高いですが、これからは電子決済が主流となります。「よくわからないから使わない」ということではなく、今回のポイント還元制度をきっかけにして、日常的に電子マネーを利用できるようになりましょう。

対象となる取引に注意

消費者が行うほとんどの取引が対象となりますが、一部対象外となりますので注意が必要です。切手や印紙、商品券など換金性の高いものの取引は対象外です。また、自動車については消費税増税に伴い自動車取得税の廃止等や自動車税の軽減等の措置もあるためポイント還元はされません。ただし、付属品については対象となりますし、オートバイなどの二輪自動車は対象となります。酒類については、対象となります。酒類は、食料品などについての軽減税率の対象からは外れますが、ポイント還元の対象とはなっています。勘違いしやすいところだと思いますので、覚えておくとよいでしょう。

ポイント還元を確実に受けるためには、以上の3つのポイント、「小規模店舗で」(WHERE)「電子マネーで」(HOW)「対象となる商品を」(WHAT)のをおさえておく必要があります。

事業者の立場から得する方法とは

一方、事業者の立場から得するにはどうしたらよいでしょうか。

まず、事業者については、このポイント還元制度を使える店舗になる必要があります。9か月間とはいえ、消費者はポイント還元ができる店舗を選ぶことは間違いありません。その中で対象とならない店舗は、売上が減少することが予想されます。まずは参加するということです。そのために、必要な措置としては、クレジットカードや電子マネーの取扱いができるようにしておく必要があります。各決済機関(クレジット会社や電子マネー運営会社)に問い合わせてみるとよいでしょう。すでにそれらの取扱いをしている場合も、登録の必要があります。この登録については各決済機関が代行申請することになっていますので、こちらも問い合わせしてみてください。

このほかに事業者のメリットとしては、キャッシュレス決済の導入費用について事業者負担がないということです。費用の2/3が国、1/3を決済事業者が負担することになります。ただ、キャッシュレス決済を導入については、事業者から手数料負担を心配する声が聞こえてきます。現金決済であれば、代金100%が手取りとなりますが、キャッシュレス決済だと手数料数パーセントを事業者が負担しなければならなくなります。ただし、ポイント還元の9か月の期間中に関しては、手数料は3.25%以下とすることと、その1/3は国が補助することになりますので、負担軽減策はとられています。ただし、期間が過ぎた後の取扱いについては、各決済機関に事前に問い合わる必要があると思います。

事業者の立場から考えると、手数料の問題はあるもののポイント還元を受けられない店舗として売上減のデメリットを考えると参加の方向で検討することをお勧めします。時代の流れとして、キャッシュレス決済は主流になることは間違いないことから、これを機に導入すると考えるとよいかもしれません。

ABOUT執筆者紹介

税理士 出口 秀樹

出口秀樹税理士事務所

出口秀樹税理士事務所ホームページ

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