07 January

若者の消費性向と就職先としての企業が考えておくべきこと

update_2019年01月07日   
社会保険ワンポイントコラム

30歳以下の若者世代は「ミレニアル世代」と言われ、多くの会社が顧客としてあるいは社員として、関係構築を図ろうと躍起になっています。

この世代の特徴は、
[1]幼い頃からパソコンやインターネットに慣れ親しんでいるため情報リテラシーに優れていること
[2]健康志向が強く食の安全や環境保護などの問題に敏感であること
[3]共同体への帰属意識が強く社会貢献やボランティアに関心が高いこと
などが挙げられます。

「ミレニアル世代」は長期不況の中で育ったせいか、経済成長に懐疑的で、成功への欲求や上昇志向が乏しいという傾向があります。また、これまでの世代とは明らかに消費性向が違うという点も見逃せません。消費行動が、よりドライで効率的です。面倒くさくないものへの志向が顕著なのです。それが、仕事選びや会社選び、働き方に関する価値観にも反映されているようです。
会社にとっては、消費者としても、労働力としても、今後、最も厚い層となる彼らの考え方や行動パターンを把握することが経営の成否を分けるといっても過言ではありません。現に、「長時間働くことこそが会社への最大の貢献であり、美徳である」という旧来の労働観に異を唱え、“ブラック”と糾弾するのは彼らが中心層です。立身出世や高収入よりもワークライフバランスを重視するのも「ミレニアル世代」ならではの志向の表れだといえます。採用活動においても、従来の手法やアプローチでは、彼らの共感を得るのは難しいでしょう。ソーシャルリクルーティングを積極的に導入するなど、この世代の特性に応じた新しいチャレンジが求められます。

また、彼らの採用後の教育指導においても、なぜこの仕事が必要なのか、個々の仕事は会社全体の仕事の中でどういう位置づけなのか、会社は社員に何を期待しているのか、という明確な道筋を提示しなければなりません。彼らを使いこなすどころか、あたかも機械の如く扱い、使い潰してしまうような印象を与えていませんか?若者だからこそ、考え方にフレキシビリティがあり、創造力も豊か、パワーだってあります。その潜在能力を抑えこんでいては労働生産性が改善されることはないでしょう。会社の中で一定の権限を持った高年齢層の人たちの価値基準を若者に押し付けすぎてはいないか、もう一度考え直してもよいのではないかと思います。

「ミレニアル世代」は身近なマーケットサンプルでもあります。中小企業でマーケティングリサーチをすることは少ないかもしれません。予算の問題、開発スケジュールの問題など理由はいろいろあるでしょう。商品開発が進み、あるいは実戦投入されてから、思ったような反応が得られないという際に、事前にマーケティングリサーチを行い仮説を立てておくことは成功の必要条件になります。そんな仮説を導き出すためのリサーチとして最も身近なのが社員に対するリサーチです。「ミレニアル世代」の社員がいれば彼らとのコミュニケーションを密にしてみてください。もしいないのであれば、彼らの志向を採用戦略にビルトインし、積極的に雇用しましょう。この世代が一番消費者に近いポジションにいますから、冷静・客観的に商品や事業を見ることができます。社内での戦略会議でも、真っ先に意見を求めるのは彼らに対してです。トップリーダーの発言は後回しにしましょう。「ミレニアル世代」の若者と様々な接点を作っておくことは、今後の経営戦略として必要不可欠です。決して彼らにおもねることなく、大いに活用していく視点を忘れないでください。

ABOUT執筆者紹介

大曲 義典

株式会社WiseBrainsConsultant&アソシエイツ
社会保険労務士・CFP® 大曲義典

原稿提供元株式会社ブレインコンサルティングオフィス「かいけつ!人事労務」

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