01 November

税制改正に伴う「平成30年の年末調整事務」の留意点

update_2018年11月01日   
社会保険ワンポイントコラム

平成30年も年末調整の時期が到来したが、本年は税制改正の影響を大きく受け、昨年までとは異なる手続きが必要である。果たして、どのような点に留意する必要があるだろうか。

細分化された配偶者控除、配偶者特別控除

所得税の配偶者控除、配偶者特別控除は、平成30年から社員本人の合計所得金額を基準に控除額が細分化されている。具体的には、社員本人の合計所得金額が「900万円以下」「900万円超950万円以下」「950万円超1,000万円以下」のいずれかにより、受けられる配偶者控除の金額が3段階に別れた。また、配偶者特別控除の金額も社員本人と配偶者の合計所得金額の組み合わせにより、控除額の種類が27パターン存在する。

提出書類が2種類から3種類へ

このように配偶者関係の控除が細分化・複雑化した影響が、本年の年末調整に大きな影響を与えている。例えば、例年提出する『給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書』は、『給与所得者の保険料控除申告書』と『給与所得者の配偶者控除等申告書』の2種類に分割された。その結果、本年は『給与所得者の扶養控除等(異動)申告書』と合わせて計3種類の書類提出が必要になる。例年の提出書類は2種類なので、間違うことのないよう留意したい。

配偶者控除の対象者も書類提出が必要

また、例年であれば、『給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書』は配偶者特別控除を受ける場合にのみ提出し、配偶者控除を受ける場合には提出が不要であった。しかしながら、本年は配偶者控除、配偶者特別控除のいずれを受ける場合でも『給与所得者の配偶者控除等申告書』の提出が必要になる。配偶者控除の適用を受ける社員への書類の配布モレが懸念されるため、対象者に間違いなく書類を配布し、提出を促すことが重要である。

配偶者の控除に関する記載内容が複雑に

さらには、『給与所得者の配偶者控除等申告書』は昨年までの『給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書』と異なり、社員本人の所得を詳細に記載する様式に変更されている。会社から受け取る給与はもとより、給与以外の所得も記載が必要なため、書き方が難しいという特徴がある。従って、社員への正しい記載方法の指導がポイントになる。

制度変更後、最初の年末調整は混乱が予想されるので、早めに対応して不備のない事務手続きを進めていただきたい。

ABOUT執筆者紹介

大須賀 信敬

コンサルティングハウス プライオ代表(中小企業診断士・特定社会保険労務士)

原稿提供元株式会社ブレインコンサルティングオフィス「かいけつ!人事労務」

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